嘘か真か巷の噂

ファイ

<誰も語ろうとしない真実>

 

 無帰還アンプとは、なにもの?

 どなたが言い出したのか存じませんが、巷には、無帰還アンプというような呼称のパワーアンプがあるようですね。ご使用されている方には、お気の毒にというしかありませんが。

 特性は、良いとは言えない、良い筈がない

 真空管にしろ、トランジスタにしろ、素子の増幅特性が非線形ですから、直線性の良い増幅回路を負帰還なしに作成することは不可能と言って良いでしょう。個々の素子に適切に負帰還を施し、全体を通しての負帰還を少なくすることはできるでしょう。おそらく、このことを無帰還アンプと呼ばれたのではないかと思います。しかし、理想的な増幅素子があったとしても、歪は前段から順に増幅され、累積されて行くので、10倍程度と電圧増幅率の低いパワーアンプと雖も、全体負帰還なしは、お薦めできるものではありません。

 帰還を知らない?

 そもそも、負帰還を忌み嫌う理由が分かりません。
 例えばエミッタフォロワ構成をゲイン1の素子と考えるなどは、技術力の不足であり、負帰還を使いこなせているとは思えないのです。


 トランジスタはベースとエミッタ間の電流を増幅してコレクタとエミッタ間に流す3端子素子です。
 制御理論では、出力を、目標との差の補正制御に用いることをフィードフォワード、入力側に戻して制御することをフィードバック(帰還)と呼びます。入力信号を増加させると正帰還、減ずると負帰還になります。
 エミッタフォロワは、ベース電流を増幅して流れるエミッタ電流を、エミッタ抵抗を介して入力側に負帰還して動作するゲイン1の回路なのです。


 大きなゲインのアンプを作ると、電界干渉や、電流による磁界干渉で、正帰還が発生して発振しやすくなります。また、発振しないまでも位相特性の悪いアンプとなります。
 これに大きな負帰還を施そうとすると、位相の変化で正帰還になり、発振や、利得が周波数で変化するようなことも起こります。
 大きなゲインを作らないという点では、素人工作向きかもしれません。

 

 全体負帰還を掛けないと最終段の電圧が不安定になります。だからと、この電圧を検出して入力に加えるなどされた方もあるようですが、なんのこっちゃ、これはバイパスコンデンサ付アンプを負帰還回路として加えた、なんちゃって無帰還であり、信号経路を複雑化したに過ぎません。


 ほとんどのアンプは負帰還量変動アンプ

 負帰還を使いこなす、これは、非常に重要なことなのですが、意外に使いこなしているようで、いないのです。

 スピーカは電気エネルギーを空気振動に変えるトランスデューサーですから、周波数特性は、見ても分かるようにフラットではありません。スピーカ自体が、変動する負荷なのです。
 このため、ほとんどのアンプで、スピーカを接続しない状態と、接続した状態とで、負帰還量が大きく変化しているのです。動作状態での負帰還量も大きく変動し、アンプ内部の構成の粗を音質として、露呈させるのです。

 これが、無帰還アンプが良いという思い込みの一つの原因かも知れません。

 安定帰還アンプ:

 SFB(Stabilized FeedBack)アンプ の薦め

 スピーカのような変動負荷を接続しても負帰還量が大きく変わらない、安定帰還(SFB)アンプが、アンプ内部の構成素子の非直線性を改善するだけでなく、スピーカを素直に余裕を持って駆動するのです。

 なお、バイパスコンデンサ、電源コンデンサには、信号電流が流れます。負帰還ループの外にある入出力のカップリングコンデンサと電源(デカップリング)コンデンサの特性がSFBアンプでも特に重要になります。

壊れたアンプをSFBアンプに再製

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