そもそも、負帰還を忌み嫌う理由が分かりません。
例えばエミッタフォロワ構成をゲイン1の素子と考えるなどは、技術力の不足であり、負帰還を使いこなせているとは思えないのです。
トランジスタはベースとエミッタ間の電流を増幅してコレクタとエミッタ間に流す3端子素子です。
制御理論では、出力を、目標との差の補正制御に用いることをフィードフォワード、入力側に戻して制御することをフィードバック(帰還)と呼びます。入力信号を増加させると正帰還、減ずると負帰還になります。
エミッタフォロワは、ベース電流を増幅して流れるエミッタ電流を、エミッタ抵抗を介して入力側に負帰還して動作するゲイン1の回路なのです。
大きなゲインのアンプを作ると、電界干渉や、電流による磁界干渉で、正帰還が発生して発振しやすくなります。また、発振しないまでも位相特性の悪いアンプとなります。
これに大きな負帰還を施そうとすると、位相の変化で正帰還になり、発振や、利得が周波数で変化するようなことも起こります。 大きなゲインを作らないという点では、素人工作向きかもしれません。 全体負帰還を掛けないと最終段の電圧が不安定になります。だからと、この電圧を検出して入力に加えるなどされた方もあるようですが、なんのこっちゃ、これはバイパスコンデンサ付アンプを負帰還回路として加えた、なんちゃって無帰還であり、信号経路を複雑化したに過ぎません。
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