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予算の官僚的(責任を負わない)使い方と疑義を挿まないマスメディア

文科省、研究力で助成金に差 22大学など選抜

 

2013/8/7のニュース記事(http://mxt.nikkei.com/?4_14964_389708_4)によれば、

「文科省は今年度の予算で確保した68億円を充てる。

各大学は研究戦略や知財管理を担う人材や研究を支援する技術者の雇用、若手研究者の登用などを継続的に進める。」とある。

 

 数兆円の財政赤字を考えれば、僅かな予算かも知れないが、一事が万事ということもある。マスメディアは、偏屈な世論作りや政治家の失言・揚足取りばかりに奔走せず、官僚のこのような財政運営・金の使い方に疑義を提示すべきである。

 

目的と結論とのあいだに確たる脈絡がない 

 

 研究水準の高い大学や機関を強化することで、国際的な地位が低下している日本の研究競争力の向上につなげると、聞こえは良いが、よくよく考えれば、「他人の金があるから、がまの油を買う。」と言うのとさしたる違いはない。

 このような助成策の決定が、問題から出発したのが真実ならば、中抜きのキセル風桶論(風が吹けば桶屋が儲かる)であるし、予算の使い方を先に決めたのであれば、取ってつけたお飾り問題であろう。

 

 問題から出発しているとして

 次のような問題認識までは、妥当だろう。

学術研究の質と量の双方で、日本の国際的な地位は低下している。

文科省の集計によると、2000年時点の論文数は米国に次いで2位、引用回数が上位10%に入る論文の数は4位だった。しかし10年ではそれぞれ5位、7位に順位を下げた。

 

 しかし、この問題に対しての課題認識が不足、すなわち、施策の目的の明確化、目標設定が行われず、施策案の妥当性評価も曖昧な上、その施策の効果、成否の判定基準も示されない。官僚の無責任、放漫な税金づかいの典型を見て取れる。厚労省の「私の仕事館」の文科省バージョンである。

 

 選択の妥当性

 

「世界的な成果が見込める22の大学や機関を10の指標で選び、今年度から毎年2億〜4億円を10年間支給する。評価によって年間の助成額を4億、3億、2億円と差を付けた。5年後の中間評価によって入れ替えも検討する。」と報道されている。

 

 対象選択の妥当性について言えば、次のように過去の評価に基づくものであり、未来の可能性をまったく論じていない。

 

・価値があると認められた研究が対象となる国の科学研究費補助金に採択された数、

・同補助金の研究者1人あたりの獲得額、

・他の研究者に引用される回数が上位10%に入る影響力の高い論文の割合、

・成果の民間企業への移転など 

 

 達成目標を設定せず、成果責任を問われない

 

 世界的な成果が見込める22の大学の選択の妥当性だけではなく、この助成によって、何がどのように改善されるのかが不明であるし、その改善効果の評価計画もない。

 

 過去良かったものが今後も良いか、金があれば更に良くなるか、根拠はまったくない。目的(論文数の増加、引用回数の多い論文の増加)と直接リンクせず、達成目標もないのだから、施策効果の評価計画が作れないのだ。

まして、良い研究や、研究企画を助成するものでもなく、施策の成否・効果判定すらできない。

 

 このような助成対象の選定方法は、「金を撒けば、景気が良くなる」の発想レベルのものでしかなく、問題解決に強く結びつかない。助成する側もされる側も、成果責任を問われないのだから。

 

 報道どおりであるなら、無責任極まりない官僚型のおざなりな経費配布としか思えない。

 

予算の有効性を評価し、責任が問われる仕組みを

 

 過去の評価で選定された大学、組織は、既に費用を確保していると考えられ、これらへの助成で優秀論文が大幅に増加するとは考えにくい。

 費用が不足で論文が出せないところを助成する方が効果的ではないのか。

 

 なにより、助成する側の組織が、この問題解決、課題設定の責任を負わねばならない。

助成の成否を判定できる指標を示さなければ、無責任官僚のそしりは避けられないはずである。

 

 このためには、分野やテーマの重要性、成果目標等について審議し、助成される側と目標を共有して助成しなければ、大きな効果は得られない。また、このような問題の解決には、各分野の学会等の意見、協力を得ることが不可欠である筈なのに、報道では一切触れられていない。

 

 マスメディアは、世論作りや政治家の失言取りばかりに奔走せず、官僚のこのような財政運営に疑義を提示し、責任を問う仕組みを構築させるよう努めるべきである。

 

一事が万事:スケールを変えてみても同じ構造が繰り返し出現する、フラクタルの日本的表現。月に吼える、か。

  

 

   



 

 

 

 

 

 

 

 

 

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