月に吼える

誰も語らない社会保障制度の裏側
ファイ 

 

 社会保障を、金融、租税とともに、中学、高校の教科として確立すべきである。

 社会保障・福祉は富の再分配の仕組み

 労働と生産、流通、消費の活動の中で富が蓄積される。  労働とは無縁の富とその偏在があり、社会保障は国民が健康で平穏な生活のための富の再分配を行うしくみである。
 社会保障の原資を租税ですべて賄うとして制度設計すると重税感を隠せない。
 現在の制度は、これを和らげるため、健康保険、年金、生活保護という枠組みを設けたものであろう。

 

  年金の始まりは国家的ねずみ講
 年金制度の生い立ちと欺瞞、役人と躍らせれた政治家の姑息さを語ってみよう。

 生活保護者が増え税負担が将来増大することを防ぐため、自己防衛を勧奨し、その手段として「タンス貯金や民間貯蓄よりも、早く亡くなった人が生き残った人を支える保険、国が税金で補填・保障する国民年金保険が得くだ。」と勧誘していたと聴いたことがある。

 このことは、被保険者の収める掛け金を貯えて老後を支えようとする保険であることを意味し、生活保護のための税負担を減らすもので、次世代が支えるなどという税の発想とは程遠いものだった。  

  

 姑息な厚生年金保険制度

 年金原資の不足を予見しつつも、保険料の高額化批判を畏れた役人は、厚生年金保険制度を立ち上げる。個人を雇用している企業に保険金を分担納付させるものだ。
 この仕組みの姑息さには、息を呑む。企業は、雇用に伴い、給与に年金保険料を上積みした額の支出を要求されるのに、個人には、給与から源泉徴収された保険金のみを知らし、企業が分担した保険金を給与の一部とは意識せない。
 納付した厚生年金保険料は、給与から徴収された保険料の倍額だとの意識を持つべきである。

 
 勤務体系、給与制度、保障条件の異なる公務員などのため、共済年金、船員保険年金などが創設されていく。年金保険の加入・脱退、複数の年金制度間を移行する人々の管理が困難となったため、国民総背番号制と揶揄されながらも、通算管理を確実にする基礎年金番号制度が制定される。

 これらの年金保険制度は個別であり、将来の給付原資は個別に確保されているものと信じられていた。ねずみ講だろうと、国が保障して始めた制度なのだから。

 

  やりたい放題のグリーンピア・プロジェクト

 

  バブル時代の溢れる年金原資に、腐れ役人は、年金は次世代が支える仕組みだと嘯き、厚生年金**福祉と冠をつけてやりたい放題のグリーンピア・プロジェクトを実施した。
 役人が言う「次世代が支える仕組み」とは、「税は、年度毎に使い切らなければならない。利益を上げてはならず、残すことは、税を国民のために有効に使えなかった証左である。」との発想と等価なものである。

 これによる損失、原資は失われたまま、使っちゃったと曖昧に放置されたままである、給付原資回復の責任を追求されることもなく。

 年金は税ではなく保険であることを、再認識する必要がある。厚労省は、民間保険会社と比して恥ずかしくないか自問する組織にならなければならない。

 

 社会保障制度の原資統合 

 

 やがて、原資を限定されていた国民年金は、破綻が予見され、成人皆保険を打ち出す。 それでも危うくなってきた制度のため、役人は重い腰を上げ、年金制度の統合に踏み出す。
 年金原資の基盤部分を国民年金とする階層型の制度にし、年金制度の中で年金原資の再配分をおこなったのである。 これは、謂わば、異なる保険会社を恥もせず合併させたということである。
 そんな中で、基盤となる国民年金に記録が曖昧な消えた年金問題が発覚する。
 少子高齢化により、年金原資の将来に不安を覚えた役人は、約束の保障の改ざん、給付の削減に手を染めるようになる。

 一方、年金の仕組みによっても自衛ができなかった生活保護者は、制度がない場合よりも大幅に減っている筈であるが、税による別原資で運営されているため、年金受給者よりも多い生活保護費を受け取り、豊かな生活を送る事態になっている。 しかも、働けないと働かないの区分が十分なされていない。

 年金制度の原資統合を実施したように、年金原資と生活保護等の社会保障の原資の統合、配分などを見直すべきである。

 

 財源開発

 政府は、失われた給付原資回復の責任が、被保険者ではなく、運用する国にあることを確認し、回復の手立てを講じるべきである。
 消費税を社会保障にと増税するのは、虻蜂取らずの政策である。国民をゆでがえるにして欺く、支出に掛ける消費税は廃止し、所得税、法人税などの収入だけの課税とすべきである。

隠された消費税の真実


 その上で、次世代が支えるのが年金の前提とするなら、被保険者は次世代の育成責任を有する。
 厚労省は、声高く、「産めよ、増やせよ、地に満てよ。」と叫ばねばならない。
 生涯独身者なしの前提で、平均で一家に子供二人が無事成長して、はじめて人口は保たれる。
   
 年金補填税(仮称)
 次世代の育成という相応の負担をせずに、同一レベルの社会保障で支えられるというのは、フェアとは言えない。
 すなわち、子供が少ない人には、年金補填税(仮称)を徴収し年金原資として蓄財する。この原資は、所得税率を上げ、上乗せた税を相殺するように子供の扶養控除を増やすことでも実現できると考える。
  
  ロボット税
 人件費をロボットで置き換えると考えるなら、人が働いて本来収めるべき所得税や年金をも削減することになるので、富の再配分の仕組みとしてロボット税を新設し、社会保障原資にあてることも考える時代が迫っている。
 

令和元年7月

     

 

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