選定に際して、パッケージが内包する文化を確認する 情報処理システムは、システムへの簡易な操作に対して適切な情報を的確に届けるものであり、肉体に於ける末端細胞への血流系統や神経系統にあたります。すなわち、組織体とシステムとは一体となって初めて大きな効力を発揮するのです。このため、末端組織から中枢までの要件を確定できる統制組織の文化・構造とシステムが内包する文化構造とを整合させることが重要なのです。 導入後の組織とその責任者を早く決める 選定したパッケージに組織、運用を整合させることは、他の組織文化を移入することであり、企業体として覚悟・決意を持って取り組む必要があります。これには、準備、助走期間が必要であり、FIT&GAP分析や要件確定作業等のシステム開発に先立って実施する必要があります。 これは、組織構造とシステム構造の不整合が、組織間の要件調整負担を大きくし、特定組織の要件変更の影響が他の組織の運用に影響を与えるなど、組織の独立性を損なわせることによって、組織体の拡大を阻害し、成長停止を招いてしまうからです。 このため、システム構造との整合を考慮した導入後の統制構造・組織体制を策定し、事業組織の責任者を定めて、組織の移行計画の具体化に取り組むことが重要です。これを早期に実施することにより、FIT&GAP分析、要件確定等が容易になります。 組織の成長とシステムの拡張との整合 拡大が著しい発展途上の組織体では、組織の拡大に合わせてシステムを拡張することが不可欠であるため、個々の組織の要件を取り込みやすくするために、組織形態とシステム内部構造との整合性を取りながら成長して行く必要があります。情報システムの支援なしに組織の運営が困難になると、システムの拡張性の喪失が組織の限界・硬直化に結びつくことになってしまいます。 試験設計の前までには、システムでできること、作法を限定する |