水を外部放出せずに熱だけを外部に逃がす熱交換器の仕組みがない以上、気化熱による冷却が不可欠であり、水蒸気をクールダウンする仕組みの回復が優先事項であり、水冷など、もともとあり得ない方策だった筈です。 炉心の燃料溶融が起きていないこと、冷却水の放射能汚染が少ないことにすがり、期待して、冷却水を垂れ流すことを想定した水冷方策が破綻したということでしょう。汚染が少ないことにすがった、水が汚染されていたので慌てた、お粗末の極みですね。 どこまで、この方策が続けられるのでしょう? この方策の片棒を担いでいたのです、全ての報道陣は。原子力に詳しいとかの学者を動員して。これでは、戦時中の報道、どこかの国の報道と全く変わらないではありませんか? 水蒸気を冷却除去して、気化熱で冷却する仕組みが不可欠です。 熱交換機への注水を急ぐべきだと思います。また、ベント開放による冷却では、水蒸気を直接、大気に放出するのではなく、水を潜らせるなどして少しでも放射物質を除去して大気に放出するなど外部流出を削減できると思います。(なお、このことは官邸へ意見として送付しています) <4月6日、追記> PV=nRT 高校生レベルで知っているこの公式、熱的に平衡状態にあると仮定すれば、水蒸気圧と温度の関係は十分理解できると思います。 圧力が高く、汚染された冷却水が漏れ続けているのですから、温度を下げ、圧力を下げる、水蒸気を逃がす工夫の方が大切だと思います。 複水機の復旧まで待たなくとも、これを冷やす汚染された水は既に多量にあるのですから、多層の水フィルタ(炉内水蒸気の冷却開放機)を作り、水蒸気を開放する方が早いはずなのに、水冷を続けるのはいかがなものでしょうか。 水素爆発防止のために、窒素を入れるようですが、分圧が加わり、更に温度・圧力が上昇し、漏水の増加が想像されます。窒素を加えても、溜まってしまった水素は減らず、大きな効果が期待できるとは思えません。 <5月12日追記> 今更、炉心溶融、炉から水漏れの発表など、しらじらしいにも程が有る。爆発で、炉内で発生したセシウムが飛散していることから、炉心溶融、炉からの燃料漏れの予測は十分想定されていた筈である。 東電発表の工程表では、冷温停止を目標としているが、安定に湯を沸かし続ければ良く、そもそものマイルストーンの設定がおかしい。重要なのは、じゃじゃ漏れの冷却用汚染水を止めること、そのために、漏れ箇所の特定をし、冷却水の漏れを止めること、安定・確実な循環冷却を確立することであるはずだ。有識者が本当にいるのだろうか? <6月8日追記> 炉心温度が下がり過ぎたから手動で止めたと当初報道されていた、緊急冷却システムは8年前に撤去されていたことが原口氏の告発として報道されている。 http://news.livedoor.com/article/detail/5605632/ これ以後、炉心溶融の時期はどんどんと音を立てて前倒しされ、圧力容器を溶かし格納容器の底まで達して状態にあると報じられるようになった。 これまでの報道は、何だったのか? ほうかむりの知らぬふりか・・・ 再臨界の防止さえできれば、熱いままでも構わないほどの状態と言える。ここに冷温にするために多量の水を注ぎ続け、汚染を拡大する意味がどれほどあるか、論じられないのは何故か? 鉄が溶融しない範囲の温度以下とすれば良く、水蒸気爆発をしない範囲に注水量を絞り、無意味な窒素挿入等を止め、ここから水蒸気を回収し、水フィルタで除染する仕組みを作れば汚染は極少化できる。汚染された水は、加熱沸騰しても除染できないとされていることが真実であるならば。 真実の報道を期待したいと思います。 |