では、炉心損傷の目標、「原子炉の炉心損傷確率を1万年に1回」の妥当性はどうか。 炉心損傷確率の定義が報道では不明であるので、単純に原子炉一基を一万年運転すると一回発生するものと捉えると、寿命を仮に50年運転するとして、廃炉までに0.005回/1基、50基あるとして、日本全体で50年後までに、0.25回発生する確率ということになる。 これは、日本全体のどこかで、50年以内に確率1/4で炉心損傷が発生しても仕方がないとされる目標で、規制目標というよりは、杜撰目標というしかない。 信頼性に関する指標の定義やその理論を理解せず、これをないがしろにして、数値目標を一人歩きさせることは、避けるべきである。 |